4月の写真集

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荒木経惟「センチメンタルな旅」
1971年に自費出版で少数作られたのみで、有名ながら今までほとんど手にとってみることができなかった写真集の復刻です。
先月の写真集の「中平卓馬一〇〇〇」も手がけている町口覚の造本で、装丁の質感や印刷もとてもいい感じです。


3月の写真集

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中平卓馬 「一〇〇〇」
78年から80年代終わり頃までの大量の未発表プリントの中から〈自動車が写っている写真〉もしくは〈自動車も写っている写真〉だけをが選ばれています。昨年に出ていたのは知っていたのですが、ふと立ち読みしてぐっときたので即買いました。みるタイミングによって気持ちは全然変ってくるものですね。
文庫本サイズに不釣り合いな1000ページちょっと、な写真集です。


2月の写真集

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都築響一「ROADSIDE JAPAN 珍日本紀行」
日本の隠れた地方スポットの写真集、知っているようで知らない、ある意味リアルな日本の風景にははっとさせられます。
いわゆるB級スポットの本はたくさん出ていますがこれが原点といえる一冊だと思いますし写真もボリュームもすばらしいです。
文庫版が現在も出ていますが大判が手に入りました。やっぱり大きいといいです。文庫版をお持ちの方もぜひみてみてください。


1月の写真集

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植田正治「SHOJI UEDA」
鳥取に生まれてほとんど鳥取で写真を撮り続けた植田正治の写真集です。
新たにフランスで出版されたもので未公開の作品も多いです。装丁もしっかりしていて、所々に違う紙質で入るカラーの静物写真も気持ちよく、見応えのある一冊となっています。


12月の写真集

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中平卓馬 「都市 風景 図鑑」
1964年から1982年にかけて雑誌に発表した写真、当時の紙面からまとめられています。雑誌からの複写なので荒々しい質感ではあるのですが、かなりのボリュームも相まって臨場感のある一冊だと思います。



11月の写真集

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「Blow-Up Antonioni’s Classic Film and Photography」
Blow-Up、好きな映画です。この映画に憧れてニコンFを使っている部分もあります。店でニコンFを整備している時も勝手ながらBlow-Upに出てくるみたいに使ってほしいと思っています。
かなりのボリュームで映画の本編、撮影風景はもちろん、広告や当時の時代背景までまとめられています。
洋書なので僕にはテキストがちゃんと読めず残念ですが・・・それでも十分楽しめます。
映画も写真を撮ることに興味があるなら観てまず損はしないと思いますし、映画はみた!という方には原作となるコルサタルの「悪魔の涎」もおすすめです。


10月の写真集

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北井一夫 「過激派」
1960年代の学生運動を撮影した作品、全面モノクロ写真の正方形の表紙はレコードに近い大きさでかなりかっこいいです。
かつて北井一夫が初めて自費出版した「抵抗」を模した装丁でこちらも復刊されています。


9月の写真集

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A-CHAN 「OFF BEAT」「VIBRANT HOME」
ロバートフランクのアシスタントとしてプリント、写真集の編集も務めている写真家、A-CHANの写真集が2冊揃いました。
以前紹介したロバートフランクの「PANGNIRTUNGPANGNIRTUNG」も彼女の編集だそうです。ぜひあわせてみてみてください。


8月の写真集

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渡辺眸 「1968 新宿」「東大全共闘 1968-1969」
今月は渡辺眸の写真集を2冊用意してみました。

当時、ある編集者にはじめて連れて行かれたのが新宿御苑近くのユニコンという酒場だ。 それからは、モダンジャズを聴かせるビザール、トレビ、木馬やDIG、いまも健在なDUG やピットインを梯子してまわった。花園神社での唐十郎の紅テント、ATGのアヴァンギャルド映画、歩行者天国が出来る前の路上のハプニング(パフォーマンス)……。
アンダーグランドという言葉にも新宿で出会い、らりってるフーテン達に遭遇したのもこの頃である。
渋谷や下北沢、吉祥寺ではなく、新宿が文化だった。
そんな日々が続くある夜、新宿周辺が群衆で大混乱になっているのに出くわした。「10.21 国際反戦デー」だ。デモ隊にもみくちゃにされながら、情報として知っていただけのベトナム戦争がもたらすものを、私は全身で体験したのだった。
1968年の新宿に、時代が集約されていた。 (「1968 新宿」あとがきより抜粋)
写真をみているだけで当時のムッとした都市の熱気にのぼせそうになる一冊です。もちろん僕は当時を知らないですが1968年の新宿に放り出された感覚に浸れます。

東大全共闘は渡辺眸が68年から69年にかけて東大に通い、やがて安田講堂のバリケード内に泊まり込んで撮影しています。
当時の報道写真や映像では見ることないバリケード内の「開放空間」、荒れた大学構内での短い日常は終末世界のようで魅力的にもみえてしまいます。

どちらの写真集も実際に起きた過去の記録なのですが生々しいモノクロ写真になることでだんだん異世界の物語のように錯覚してしまう魅力もあると思います。