11月の写真集

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「Blow-Up Antonioni’s Classic Film and Photography」
Blow-Up、好きな映画です。この映画に憧れてニコンFを使っている部分もあります。店でニコンFを整備している時も勝手ながらBlow-Upに出てくるみたいに使ってほしいと思っています。
かなりのボリュームで映画の本編、撮影風景はもちろん、広告や当時の時代背景までまとめられています。
洋書なので僕にはテキストがちゃんと読めず残念ですが・・・それでも十分楽しめます。
映画も写真を撮ることに興味があるなら観てまず損はしないと思いますし、映画はみた!という方には原作となるコルサタルの「悪魔の涎」もおすすめです。


10月の写真集

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北井一夫 「過激派」
1960年代の学生運動を撮影した作品、全面モノクロ写真の正方形の表紙はレコードに近い大きさでかなりかっこいいです。
かつて北井一夫が初めて自費出版した「抵抗」を模した装丁でこちらも復刊されています。


9月の写真集

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A-CHAN 「OFF BEAT」「VIBRANT HOME」
ロバートフランクのアシスタントとしてプリント、写真集の編集も務めている写真家、A-CHANの写真集が2冊揃いました。
以前紹介したロバートフランクの「PANGNIRTUNGPANGNIRTUNG」も彼女の編集だそうです。ぜひあわせてみてみてください。


8月の写真集

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渡辺眸 「1968 新宿」「東大全共闘 1968-1969」
今月は渡辺眸の写真集を2冊用意してみました。

当時、ある編集者にはじめて連れて行かれたのが新宿御苑近くのユニコンという酒場だ。 それからは、モダンジャズを聴かせるビザール、トレビ、木馬やDIG、いまも健在なDUG やピットインを梯子してまわった。花園神社での唐十郎の紅テント、ATGのアヴァンギャルド映画、歩行者天国が出来る前の路上のハプニング(パフォーマンス)……。
アンダーグランドという言葉にも新宿で出会い、らりってるフーテン達に遭遇したのもこの頃である。
渋谷や下北沢、吉祥寺ではなく、新宿が文化だった。
そんな日々が続くある夜、新宿周辺が群衆で大混乱になっているのに出くわした。「10.21 国際反戦デー」だ。デモ隊にもみくちゃにされながら、情報として知っていただけのベトナム戦争がもたらすものを、私は全身で体験したのだった。
1968年の新宿に、時代が集約されていた。 (「1968 新宿」あとがきより抜粋)
写真をみているだけで当時のムッとした都市の熱気にのぼせそうになる一冊です。もちろん僕は当時を知らないですが1968年の新宿に放り出された感覚に浸れます。

東大全共闘は渡辺眸が68年から69年にかけて東大に通い、やがて安田講堂のバリケード内に泊まり込んで撮影しています。
当時の報道写真や映像では見ることないバリケード内の「開放空間」、荒れた大学構内での短い日常は終末世界のようで魅力的にもみえてしまいます。

どちらの写真集も実際に起きた過去の記録なのですが生々しいモノクロ写真になることでだんだん異世界の物語のように錯覚してしまう魅力もあると思います。


7月の写真集

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佐藤秀明 片岡義男 「海まで100マイル」
ちょっと早いですが夏らしい本を選んでみました。写真が佐藤秀明、文章が片岡義男です。
ハワイ、カリブ、カルフォルニア・・・80年代らしくていいなあと思います。


6月の写真集

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丹野清志 「村の記憶」
1975年に出版された写真集です。
農村、漁村の風景は一見素朴で温かなようで高度経済成長の中で生活が変化しつつある緊張感が生々しく、引き込まれます。
記録としても貴重ですし、落ち着いた雰囲気の装丁ながらどこか張りつめた迫力のある一冊です。


5月の写真集

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森山大道 「沖縄」
森山大道の写真集、よく考えると持っていなかったので一冊選んでみました。1974年に撮影された沖縄の写真集です。当時の沖縄の雑然とした雰囲気と森山大道の写真がしっくりきている良い写真集だと思います。


4月の写真集

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ウィリアム・クライン 「東京」
東区のSHUMOKU GALLERYでも展示されていたウィリアム・クライン、AKIO NAGASAWA GALLERYから出ている写真集のハードカバー版になります。
大きなサイズで丁寧な装丁、独特なつやのある印刷で見応えのある一冊です。


3月の写真集

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詩・高木恭造、文・石坂洋次郎、写真・小島一郎「津軽」
1963年に新潮社より出版された本の復刻です。写真家小島一郎の唯一の作品集です。当時の津軽の風景の写真はもちろん、詩と文も合わさって引き込まれる内容になっています。復刻版ですがかなり雰囲気のある装丁、印刷もにくいです。